知的発達障害児者施設のロールモデル:こころみ学園&ココ・ファーム・ワイナリー

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知的障害児者も「労働」を味わい楽しめる!

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

今日は、知的発達障害児者の障害特性を活かして、

・葡萄づくり
・しいたけ栽培
・ワインづくり

等をしている、「こころみ学園&ココ・ファーム・ワイナリー」をご紹介します。

僕は、2012年2月に同施設を訪れ、2時間かけて、じっくり園内とワイナリーの見学をさせていただきました。

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こころみ学園は、1958年に、当時中学校の特殊学級の教員をしてた川田昇さんが、生徒たちと一緒になり、栃木県足柄市の超傾斜地(平均斜度38度)を購入・開墾し、活動をスタート、その後、1969年に認可を受け社会福祉法人となりました。

同学園の特徴は、知的に障害があるから何もできないと言われ、過保護に育てられた子どもたちに、

・葡萄づくり
・しいたけ栽培

をはじめとする「労働」を与え、

・働く楽しさと
・食べる喜び
・生きる嬉しさ

を与えたことです。
 

また、1980年には、園生たちが経済的にも自立できるようにと、学園の考え方に賛同する父兄たちの出資によって、ココ・ファーム・ワイナリーを設立。

初年度には10トンの葡萄から12000本のワインを製造、12000本のワインはたちまち売り切れました。

現在、ココ・ファーム・ワイナリーのワインは、

・2000年の九州・沖縄サミットでの晩餐会
・2008年の北海道洞爺湖サミットでの総理夫人主催の夕食会

で使用されるなど、国際的にも高い評価を得ています。

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1950年当時に、知的障害児者に「労働を与える」という考え方は他に類が無かったでしょうし、その労働も、知的障害児者がやりやすい

・肉体労働
・わかりやすい作業
・ルーチンワーク

にしたことが、障害者の「障害特性」と労働の「作業特性」のマッチングを活かした”アダプティブ”な思考・行為で、本当に素晴らしいと思いました。

また、その労働から生まれたモノ(葡萄)を製品化(ワイン)し、それを市場に流通させるというのが、今日においても、まだ例の少ない、希少で価値のある取り組みだと、感銘を受けました。
 

こころみ学園の創始者川田昇さんが書かれた「山の学園はワイナリー」は、川田さんの試みと志が詰まった一冊です。

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是非お手にとって、読んでみてください。
 

ココ・ファーム・ワイナリーでは、毎年11月に収穫祭が行われていて、大変なにぎわいを見せています。

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今年こそは、僕も行きたいと思います!

 
「障害」は環境を変えると「能力」になる!
No Adaptive, No Life.

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