「ディスレクシア=芸術的才能が豊か、みたいなイメージが定着したら困るな」

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飛び抜けた能力は障害とは必ずしもリンクしない

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

先日、

スピルバーグ監督「謎が解けた」! 学習障害「ディスレクシア」を告白

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というニュースが流れましたね。

スピルバーグ氏は2012年9月12日、学習障害を持つ若者向けのサイト「Friends of Quinn(フレンズ・オブ・クイン)」の独占インタビューに登場した。

スピルバーグ氏は5年前に「ディスレクシア」と診断されたことを初めて明かし、学生のころ読み書きのレベルが同級生より遅れていたことについて「謎が解けた」と振り返った。

(JCASTニュースより抜粋)

 
とのことです。
 

こういう著名人の告白は、同じ障害を持つ人にとって、勇気がでることですよね。

ここにも掲載されていますが、過去、同様の告白をしたトム・クルーズさんは、ディスレクシアについての理解を推奨する映画を製作したり、学習障害を持つ子どもを支援したりと、積極的に啓発活動をしていると、言われています。

でも、僕が注目した一行は、ここではなく、

「スピルバーグのカミングアウトで、ディスレクシア=いじめられっこ、ディスレクシア=芸術的才能が豊か、みたいなイメージが定着したら困るな」という意見もあった。

と言う箇所です。

これと同じことを、先日独占インタビューをさせていただいたアズ直子さんがおっしゃっていました。

直子さんのインタビューについては、また別途ここでご紹介したいと思います。

 
「障害」は環境を変えると「能力」になる!
No Adaptive, No Life.

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評価システムが無いから気づかない!「障害者就労事業で不正請求5億円余り」

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5億円になるまで気が付かないことが問題

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

先日、「障害者就労事業で不正請求5億円余り」というニュースが、NHKで報道されていました。

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障害者就労支援に携わらないと、全く知らないことだと思いますが、障害者就労事業者には、「障害者の就労支援をすると一人につき●円支給する」と約束された「補助金」があります。

この補助金が、今回のニュースになったんですね。

今回のニュースを簡単に説明すると、

「障害者の就労支援をすると一人につき●円支給する」という制度があるので、不当に「障害者のはたらく」を支援するという事業所が増え、気がついたら、不正請求が5億円にもなっていた

というものです。

これ、補助金欲しさに不正請求をしていた事業所も悪いですが、その不正請求を見抜けない制度にも、大きな問題がありますよね・・・。
 

そもそもの要因は評価システムがないこと

僕は、各地で講演をすると、必ずと言っていい程このお話しをするのですが、

・教育
・医療
・福祉

という分野が、世の中の発展する産業からどんどん遅れを取る理由には、これら3領域には「評価システム」が無いからだと、僕は考えています。

例えば、今回の障害者就労事業でいうと、

障害者就労事業が年間に、障害者をどれだけ就労(就職)させたのかに対して、ポイント制度を設け、そのポイントが高い事業所に補助金を出す。

という仕組みが組まれていたら、どうでしょう。

こうすることで、多くの障害者就労(就職)に導ける事業者が、力をつけ、結果、障害者の就労(就職)率が上がりますよね。
 

こういうお話をすると、

「そんなことしたら、頑張っているけど、障害者を就労(就職)させることができない事業所が報われないじゃないか!」

という声が上がってきそうですが・・・。

障害者就労事業で言うところの「障害者の就労(就職)率」って、会社でいうところの「業績」ですよね。

業績が上がらないと・・・会社は倒産します。

これが、基本ルールです。

にも関わらず、

・教育
・医療
・福祉

という領域では、業績を問わずに、予算を投入することが、往々にしてあるんですね。

だから、今回も5億円まで行かないと、不当請求に気づくことができなかったのでしょう。
 

障害者就労事業の目的は、就労支援事業者の生活の安定を図ることではなく、障害のある人が、世の中で仕事をし、独立して生活できる環境づくりです。

公的なお金は、価値あるところに投入し、是非とも有意義に使ってもらいたいと思います。

 
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発達障害者の就職率は29%

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既存の枠に入ることが全てじゃない!

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

発達障害の大学生の就職支援始まる:専門施設や大学が後押し

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とニュースがありましたね。

僕が一番気になったのは、3ページ目の「支援進まず、低い就職率」という箇所。

社会福祉法人「北摂杉の子会」(大阪府高槻市)などが平成24年に全国の大学・短大259校に実施した調査では、発達障害の診断を受けた学生の休学・退学率は16.8%。

身体障害者(肢体不自由)の学生の約3倍に上る。

就職率も身体障害者が52%に対し、発達障害者は29%と低かった。

msn産経ニュースより抜粋

 

アスペルガー・発達障害という障害があると、就職率はこんなにも低くなるのですね。

その要因の一つに、アスペルガー・発達障害は見た目には「わかりにくい障害」だということが、あると思います。

また、アスペルガー・発達障害という障害のある人にとって、既存のルールや方法に沿って働くことが、「ぴったりではない」のも、要因の一つだと、僕は考えます。

僕が、このブログを通して行いたいことは、

アスペルガー・発達障害・自閉症という障害のある人が、既存の就職枠に努力して就職することの後押し

ではなく、

アスペルガー・発達障害・自閉症という障害のある人が、自信のもつスーパースペック(一般他者と比べ飛び抜けている能力)を活かして起業することの支援

です。

まずは1つ、具体的な事例を作りたいと思います。

 
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「iPad」と「DO-IT JAPAN」という環境がトモナオ君の能力を開花

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「僕、わかったんや。常識は環境によって作られる。だから常識なんて価値はないって。」

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

今日、2013年5月9日に朝日新聞に掲載された

・漢字も計算もiPadでできた

という記事を、見つけました。

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(↑写真をクリックすると拡大して記事が読めます)
 

「僕、わかったんや。常識は環境によって作られる。だから常識なんて価値はないって。」

という冒頭の一行が、とても印象的でした。

ここにも書いていることですが、僕は、「全ての能力の是非は環境が支配する」と、考えています。

トモナオ君の例で言えば、

・iPad
・DO-IT JAPAN

が彼の能力を最大化していますよね。

つまり、「iPad」や「DO-IT JAPAN」が、トモナオ君の能力を最大化する「環境」だと、言うことができます。

そんなトモナオ君でさえも、「iPad」や「DO-IT JAPAN」に出会うまで、辛く、苦しく、「死」まで考えていたといいます。
 

「スーパースペック」を持っている子どものための新な教育環境

戦後、何十年も変わらず、またこれからも変わらないことが予想される既存学校教育で、

・正しく読む
・正しく書く
・正しく計算する

ことを教えることも、大事なこと。

しかし、この普通学校教育は「規格内人間」をつくるシステムでしか無いことは、知られた事実。

であるのならば、

トモナオ君のように、環境が整うと開花する「スーパースペック」を持っている子どものための、新な教育環境を作ることが、今の社会では求められていると、強く思います。
 

その環境は健常時にも必要

新な教育環境は、「規格内人間」が求められていない現代、アスペルガーのトモナオ君だけに必要なことではなく、実は、普通学校教育を受けている、全ての子どもに必要なことであると、僕は思います。

是非とも、トモナオ君には、マサチューセッツ工科大学を主席で卒業してもらいたいですね。

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会える機会があったら、是非、トモナオ君にインタビューをしてみたいな。

 
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問題は「伝えたかどうか」ではなく「伝わったかどうか」

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インストールの仕方に合わせて、使え方は変えよう!

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

先日、子ども(園児)をつれて、クライミングジムに行って来ました。

僕は何度か言っているのですが、子どもが初めてだったので、初回説明と安全に関するVTRを見ることになりました。

園児が見るので、子供用のVTRが出てくるのかと思ったら・・・大人が大人に向けて話をしている、園児には意味不明のVTRでした。(笑)

そこで、

「これって、子どもが見ても、わかりませんよね?」

と言ったら、

「見ていただく決まりなので。」
「足りないところは、お父さんが教えてあげて下さい。」

とのことでした。(汗)

要は、クライミングジムとしては、何かあったとしても、「こちらはやるべきことをやったからね」と、言いたいってことですよね。

でも・・・

やっぱり大事なのは、

伝えました

ではなく

伝わったかどうか

ですよね。
 

僕は、

伝えました

ではなく

伝わったかどうか

が大事だといつも思っているので、僕が主宰する個別指導教室のコーチたちには、「伝え方」を徹底的に指導しています。

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僕が主宰する個別指導教室の生徒は、

・アスペルガー
・自閉症
・発達障害

等の障害のある子どもたちです。

彼らに運動指導をする際には、「伝えたかどうか」は問題ではなく、「伝わったかどうか」が大問題(重要)です。

伝えるって、コミュニケーションのはじめの一歩ですからね。^^

 
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知的発達障害児者施設のロールモデル:こころみ学園&ココ・ファーム・ワイナリー

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知的障害児者も「労働」を味わい楽しめる!

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

今日は、知的発達障害児者の障害特性を活かして、

・葡萄づくり
・しいたけ栽培
・ワインづくり

等をしている、「こころみ学園&ココ・ファーム・ワイナリー」をご紹介します。

僕は、2012年2月に同施設を訪れ、2時間かけて、じっくり園内とワイナリーの見学をさせていただきました。

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こころみ学園は、1958年に、当時中学校の特殊学級の教員をしてた川田昇さんが、生徒たちと一緒になり、栃木県足柄市の超傾斜地(平均斜度38度)を購入・開墾し、活動をスタート、その後、1969年に認可を受け社会福祉法人となりました。

同学園の特徴は、知的に障害があるから何もできないと言われ、過保護に育てられた子どもたちに、

・葡萄づくり
・しいたけ栽培

をはじめとする「労働」を与え、

・働く楽しさと
・食べる喜び
・生きる嬉しさ

を与えたことです。
 

また、1980年には、園生たちが経済的にも自立できるようにと、学園の考え方に賛同する父兄たちの出資によって、ココ・ファーム・ワイナリーを設立。

初年度には10トンの葡萄から12000本のワインを製造、12000本のワインはたちまち売り切れました。

現在、ココ・ファーム・ワイナリーのワインは、

・2000年の九州・沖縄サミットでの晩餐会
・2008年の北海道洞爺湖サミットでの総理夫人主催の夕食会

で使用されるなど、国際的にも高い評価を得ています。

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1950年当時に、知的障害児者に「労働を与える」という考え方は他に類が無かったでしょうし、その労働も、知的障害児者がやりやすい

・肉体労働
・わかりやすい作業
・ルーチンワーク

にしたことが、障害者の「障害特性」と労働の「作業特性」のマッチングを活かした”アダプティブ”な思考・行為で、本当に素晴らしいと思いました。

また、その労働から生まれたモノ(葡萄)を製品化(ワイン)し、それを市場に流通させるというのが、今日においても、まだ例の少ない、希少で価値のある取り組みだと、感銘を受けました。
 

こころみ学園の創始者川田昇さんが書かれた「山の学園はワイナリー」は、川田さんの試みと志が詰まった一冊です。

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是非お手にとって、読んでみてください。
 

ココ・ファーム・ワイナリーでは、毎年11月に収穫祭が行われていて、大変なにぎわいを見せています。

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今年こそは、僕も行きたいと思います!

 
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「障害を能力に変える」とは、別の言い方をすれば「視点を変える」ということ

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収集家は研究家である

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

「障害を能力に変える」とは、別の言い方をすれば「視点を変える」ということです。
 

収集家は研究家?

例えば、

・収集家

っていますよね。

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・切手
・キャップ
・フィギア

などを集める人です。

彼らは、

・切手
・キャップ
・フィギア

などが好きで、それらを収集をするわけですが、彼らはただ集めるだけでなく、収集するソレについて、並外れた知識を持っていたりします。

つまり「研究家としての才もある」ということですよね。
 

収集家は研究家になれる!

ただ好きなモノを収集するだけだと、その収集する物質に相応の価値がなければ、その収集行為は、仕事になりません。

しかし、収集したものを並外れた知識をもって「研究」し、更には、その研究結果を欲しがっている対象に対して「発表」することができれば、その収集行為は、十分仕事になります。

これ、障害が能力に変わったってことですよね。^^

 
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アスペルガー症候群・自閉症は、自閉スペクトラム症に

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大事なのは「障害名」ではない!

こんにちは、障害を能力に変える環境づくりプロデューサーの齊藤直です。

精神疾患:病名に新指針 パニック障害は「パニック症」

先日、「精神疾患:病名に新指針 パニック障害は「パニック症」」というニュースがありましたね。

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一般の方のために、このニュースが伝えている事を一言でわかりやすく言うと、

「障害名が変わった」

ということです。

これに類似したことは、1998年にもありましたね。

1998年には、知的障害者福祉法が制定され、それまで「精神薄弱」と呼ばれていた障害が「知的障害」と呼ばれるようになりました。

覚えていらっしゃいますか?

この2例が物語っていますが、

・法律
・学会

という領域では、障害名って、バンバン変わります。

また、医学が進歩する度に、新しい障害名も生まれています。

でも、その裏では・・・

誤診で「障害児」とされる障害のない子も出てきているようです。

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先日、このニュースを僕のfeacebookで取り上げたら、

・300件越えの「いいね!」
・40件近いコメント
・20件を超えるシェア

でした。

つまり、「皆さんの関心度が高かった」ということですね。
 

「害」を「がい」にする前に大切なこと

よく、障害者を「障碍者」と書きましょう、「しょうがい者」と書きましょうという活動がありますよね。

ぼく、これは大事だと思います。

でも、

「害」の字を「がい」の字にするかどうかより、緊急で大切なことが山ほどあります。

例えば、

・障害名がついてもつかなくても安心して学べる学教教育体制をつくること

・大学の入試に発達障害者枠をつくること

・障害児者と共に学び暮らす教育を普通学校教育で行うこと

の方が、「害」の字を「がい」の字にするより、はるかに大事で急務だと、僕は思います。

「法律・学会が見ているところ」と、「現実社会問題点」の間にあるスキマが開いていく一方に感じられるけど、僕の活動フィールドは「現実社会」に地に、しっかり足をつけていきたいと思います。

 
「障害」は環境を変えると「能力」になる!
No Adaptive, No Life.

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